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2012年2月15日 (水)

一年戦争時のRXシリーズのロールは正しかったのか?/後編

続きです。ガンキャノンもうちょい言及したい点があったのですが先にガンタンクの方を。

二脚が作れず不完全な状態だったので超長距離砲積んで自衛用武装を手に固定しています。素の設定のままでも、ガンタンクが量産型でなくオリジナルの仕様であと十機あれば重力圏の制圧は済んでいたという説があるほどで、あの大砲(野暮ったい言い方ですが自衛官の皆さんは榴弾砲とかまとめてこの呼び方なのであえて)が重力下においてアウトレンジ攻撃をかける場合の究極兵器の一つだったと思わせる部分です。
ミノフスキー粒子散布下では航空戦力が確定要素にならないので。(例外的にガウ攻撃空母のローラー爆撃がありますが、あれも至近距離にしか落とせないので)

なのであれはあれでいいんだ、と思ってしまいがちです。ガンタンクはああなんだ、と。
現用兵器でも自走砲の多くはクローラーじゃないかと。自動給弾つきに至ってはクローラーつきしかないだろうと。確かにその通りです。大砲を正確に曲射で着弾させるには足元の安定が必須で、変形機構を持つのでない限りああいったものはクローラーの接地性能に頼るのが正しく見えます…が。

同時に、スナイピングに準ずる攻撃である定点長距離曲射は、行った後に射撃点から即時移動する必要があります。でないといかに長距離かつミノフスキー粒子下でも反撃は食らいます。08小隊でグフカスタムが突貫してきて量産型ガンタンクを殲滅している演出が既にありますし。あれは撃つこともできてないので、侵入・射撃・撤収は早ければ早いほどいいし、砲自体が汎用性のある武装で切り崩しをしながら砲撃ポイントに向かえればさらにいいです。ガンタンクに足りないのはその部分です。V作戦始動までロールアウトから随分時間があり、かつコアブロックシステム機であればいずれのパーツも適宜改修されたものを装備できたにも関わらず、です。

ようは、あの大砲はガンキャノンキャノン抜きに背負わせるか、ガンダムでも担ぐことができるように軽量化するなどして、移動が早い機体で(それこそガンダムはGアーマーが使えるわけですから、離陸重量内に大砲を収められるならありえない位置からの連続砲撃で撹乱を狙えたかと)やった方がいいと思われます。ジオンならホバリング系の機体でやったのでは。

ではガンタンクはいらない子なのかというと、そんな事はありません。
ガンタンクが近距離不向きだったのは手を実弾の固定武装にしたまま、何の改善もせずに終戦まで使ったからそう思われているだけ。例えば格闘用の腕を装備して、上半身がもうちょい前寄りだったとしたら?本体から直接インパクトを叩き込む攻撃において重要なのは、攻撃対象のベクトルに入れる力の総量ではありません。それをやると自分もはじかれてしまうから。足腰あっての腕なのです。中国拳法でよく言及されていますが。まず垂直荷重、しかも安定した、なのです。
PSPのロングタイトルにガンダムバトルシリーズがありますが、あれのガンタンクは格闘のスペックがガンキャノンやガンダム比で突出しています。大砲のバレルを敵に突き立ててみたり、ダッシュからダブルラリアットを決めてザクの群れをひとまとめで屠ったりできるタイトルもあります(流石にやばいと気づいたか次のタイトルでダウングレードされましたがw)。そんな事はできないんだ、で片付けるのは簡単ですが、ならそういう装備に換装すればいいじゃない、で済んでしまいます。腕を鹵獲したゴッグから持ってくるとか、上半身に高速旋回機能をつけるとか。で、これは砲撃運用にも関わる事ですが、Gアーマーを作れた時点で、連邦はMSサイズのクローラー機にも大型スラスターを装備できる技術があったわけで、ガンタンクにスラスターを付けて突進力を挙げる事は可能だったわけです。クローラー自体の効率化も時系列でどんどん向上していたでしょうし、当初より速く走れるガンタンクになっていた可能性が高いです。クローラーフラットアウト突進がスーパークルーズ、スラスターがアフターバーナーといった趣きでしょうか。

そして現用兵器に目をやると、ストライカーのような高機動装輪式の戦車もあるとはいえ、多少足が遅くてもMBTの主役はやはりクローラータイプです。アサルトやる段で重さと近距離火力のでかさ、頑丈さが重要であるが故だと思います。クローラーを戦場で使うなら、それはフロントラインではないのか。そう思っています。それを踏まえた上での武装にリファインされたガンタンクがあったとすれば、連邦がジオン水泳部に感じた脅威と同種のものをジオン側に与えられた筈です。

一方、ニュータイプというチート(一年戦争時のアムロはチートなニート。残念すぎる)が無かった場合、ガンダム並びにジムは軽装汎用機でした。現代戦でも個人装備レベルで盾は使うのですが、それは都市戦の話で、オープンフィールド戦の場合は自身の身をジャケットで固めるのがセオリーです。となるとルナチタニウムで頑丈だったとしても、エキセントリックな先行開発機としてガンダムがアサルトの一つのカタチとして存在するのはアリだったにしても、ジムにアーマー足すくらいなら最初からガンキャノン量産型のキャノンなしを作れなかったものか、と思います。実際、ジオンの汎用機はゲルググに落着したわけで、あれの設計思想はどちらかというとガンキャノンキャノンなしでしょう。ガンダムだったギャンがコンペに落ちてる。

その上で、コアブロックシステム連携のABパーツの適宜改良や新規開発はもっとあるはずだった、と。なんであんなに便利なシステムなのにガンダムはガンダム、という考え方で固まったのか疑問です。ガンキャノン上半身にガンタンク下半身、ビームサーベル持ちとか十分アリだったように思うのですが。
同一フォーマット上のミックスアッセンブルはAGE前にも他の作品であったと思うのですが。


そもそもの間違いは機動戦士ガンダムという物語がまっとうな戦記ではなく、素人集団に最新装備を与えてサバイバルさせるお話だったわけで、あの運用が適当だというランディングポイントはそもそもないわけですよ。一ヶ所を見せているだけで他でもっと上手く回ってる戦場もあったでしょうし。何故か映像化やゲーム化されるのは極端な苦境か特別機というイレギュラーの話ばかり。プロが常識的な戦場でそつなく仕事をこなすだけ、では盛り上がらない…というか偉大な将軍初代様に泥を塗るという意識があるのかもしれませんが、プロのプロらしさをスタイリッシュに描くのもやり方ではあったのでは?と。

その上で、本編終了からZまでの間の時間に起きた紛争が、作品化された分だけで十分多いように見えますが、私はこんなもんじゃないはず、と思っています。今の地球上での内戦地域など紛争地帯の多さを考えた上で、地球上に限らず地球圏とした場合、どれだけの戦力とどれだけの研究機関・製造拠点が拡散していたか想像もつきません。0083のようにメーカーの陰謀を背景にする事で新規機体をばんばん出した作品もありますが、基本的には散発する戦場に投入されるものはありものかその発展型でしょう。大戦末期までロールバックするなら最後のひと押しのために双方なおさらいろいろやったであろう事は史実からも明白だと思います。勝った側も呑気に構えず開発の手を緩めないであろうことも。

なので、現状見えているMSというのはほんの一部であろうなぁという気持ちがまだまだ強いです。
ジオン側についても同様だと思います。

さあガンプラビルダー諸君、イメージしろw。

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