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2012年2月22日 (水)

兵器は高額になるほど政治が絡む。

いやもう、元々ユーロファイター組の粘着に元々ウンザリしてたとこ、政治絡みだと気づかない素人までF-35をディスり初めたので、もう正直Twitterで喋った分で疲れてるんですがブログでもはっきり書いておきます。

まず今回の問題の発端は、ジョイントストライクファイターというプランを一元化した時点で発生しています。ジャンプジェット(現場ではVTOL/STOVLともにこの呼称です)を新造するにあたり、汎用単発ステルスマルチロールファイターと混ぜてプロダクトしたことで、非常に開発困難な機体とそう難しくない機体の話がごっちゃになりました。(それでも初号納入は海軍海兵隊にジャンプジェットであるB型でしたが)で、ラプターから引き続きF-35をロッキードマーチンが担当してるので、ただ飛ばすものであるところのA/C型についてはノウハウが存在し、実機テストの進捗は日本に配備予定のAに関しては実機が出て以降むしろラプターがストライクラプターと分化して迷走してるのと比べると早いくらいです。

しかし今日のロイターのニュース。国防総省のリクエストに答えられてないという話を、恣意的にジャンプジェットと通常型の区別をせずされて、案の定疎い日本人は釣られてます。繰り返しになりますが遅れてるのはB型で、日本に納入される機体に関係ないニュースです。それを「混ざるように」仕向けている層がいます。明らかに。

F-35(以後ライトニング2)はコンペでボーイング社のX-32に勝って導入が決定しました。ボーイング社は軍用機のコンペでロッキードマーチンに立て続けに負けています。「今回の決定は第二のロッキード事件だ!」とでっち上げを書く者まで現れる始末ですが、そういった汚職があるとすればむしろボーイング筋でしょう。ドリームライナー(ボーイング787)には日本企業が多数参画しており、売れないと困る会社が多いというか、それ以前にボーイングが傾くとろくに量産もかからないのです。ただでさえシェアでエアバスにのしかかかられているのに。
そういった筋が多くいるのは米下院上院も同じ。B型を理由にペンタゴンを揺さぶってる族議員の仕業と考えられますし、ロイター筋にも飼い犬がいるようです。

ぶっちゃけ米国内に限定すれば既に小規模空軍力は無人機にシフトしており、おそらく今回のJSFのコンペが米国での少人数向け戦闘機最後になりそうなので、こんなの叩いても意味ないんですが。それでも叩くのは圧力でしょう。自国内でも気に入らない奴がいれば貶めるのはウォルト・ディズニーはじめ米国の財界人や政治家の常套手段です。日本人が巻き込まれる道理はありません。

ちなみにB型の前を担っていた機体はイギリス生まれのお馴染みハリアーですが、あれはフェニックスエンジンという機体に沿う形で配置された4発のスラスターの偏向を行う特殊な設計のジェットエンジンでジャンプジェットとしての機能を実現していました。大変優れた機体でしたがシステム的な欠点が三つあります。まともに操縦するのが大変難しい事、そして音速を超える事が不可能な事、そして形状の都合ステルス機が作れない事です。

そこで今回米軍は、冷戦時のみならず未だに一方的に仮想敵として見ている(ちなみに相手にはされていない)ロシアに技術要請しました。主にペイロードと燃費の面であまりいいものではなかったのですが、旧ソビエト連邦もジャンプジェットを持っており、そちらは二世代目の試作機で水平飛行時に音速を超えました。ハリアーは1つのエンジンの4つのノズルで飛んでいましたが、ソビエトのヤコブレフ設計局の機体は違います。機体のど真ん中にリフトファンという垂直上昇用のエンジンを積んでいたのです。加えて、ヤコブレフ設計局が成し遂げた技術に、メインノズルの垂直偏向があります。この二つのエンジンを持って、Yak141フリースタイルは(配備には至らなかったものの)ある種ジャンプジェットとしての機能と通常型戦闘機としての機能を両立してみせました。それを技術購入したものが、今回JSFのそれぞれB型に搭載されているものです。X-32のリフト&ランディングテスト映像もちゃんと残っています。

問題はこのリフトファンという技術購入です。一応、ソビエトはフリースタイル以前、Yak38フォージャーで実用化していましたが、リフトファンの存在は水平飛行中デッドウェイトかつ余分な装備であり、武器はろくに積めないフェリー距離も短いとさんざんでした。しかし重要なのは一度とはいえ実戦を経験している事、部隊運用歴があったことです。シェイクダウンの過程で1割が墜落したとされ、皮肉にもその事がソビエト機の脱出シートを優秀なものへと育てました(笑)。そしてフリースタイル、同じ仕組みのわりに元と比べたら驚きのレベルで成功し、改良型も提示されたにも関わらず量産に至っていません。ジャンプジェットで一番最初に音速の壁を超えたのはフリースタイルですが、相変わらずデッドウェイトデッドスペースに泣く状態が続いていました。

その難物リフトファンを米軍機として初採用(試験機には存在したような記載を目にした覚えがありますが、大変早い段階で挫折した筈です)する上、諸性能においておそらくペンタゴンはA型相当のペイロードやドッグファイト能力を要求していると思われます。断言します。無理です。無茶振りの理由は前述の通り政治と金ですが、A型を低性能で見積もる以外に落としどころが多分無かったと思います。
ソビエトがあれだけの時間をかけたものが、アメリカだから5年でできるかって、できないですよそんなのw。で、その難物を我々日本国が購入するA型は搭載していない。ロッキードマーチンが要求満たすためにA型のスペックをひよらせているとすれば、メンテ図面つきで日本に導入されたのち、ライトニング2Aは劇的な性能向上を見せる可能性があります。

ちなみにジャンプジェット、ノズルが機体の中心に沿って存在するため、ホバリングはできてもヘリコプターのようなマヌーバーは不可能です。それが一応可能な航空機もありますが、現状無人機のみです。必須要件としてリフティングスラスターが翼に内蔵されていて、それが全方向に偏向角を行えることが前提ではじめてヘリ同様の飛行が可能になります。主に空母着陸を無人で容易に行うために開発された技術です。しかし大変な重量増となるので、有人機での実現はなさそうです。あればどれほど便利かは、セインツロウ3を遊べばわかりますw。戦闘機と輸送機とエアバイクとしてそれぞれホバリング・フライトモードへと変形する機体が存在するので。そういった機体にアベンジャーが積めれば、それこそ空飛ぶMBTになり得るのですけども。それは夢物語なようです。

とにかく、情報操作とまで行かずともライトニング2の件は相当な印象操作、しかも内輪揉めを含んでいます。踊らされないよう注意が必要です。
まあ、踊らされてるうちに技本が実寸の心神飛ばしてしまいそうですけども。部品発注は既に主要各社に行ってるようですし。

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