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2012年1月29日 (日)

組曲『敗者なき戦い』完結。

スイートプリキュアの最終回、お見事でした。
先週のノイズの浄化プロセスでもう十分に素晴らしかったところ、今回は響を通して、こちらもいろいろと想いを馳せる回。この時間を十分に取った事が、完成芸に導く鍵だったと思います。

今季は「組曲」プリキュアだったわけですが、最後まで音楽を本当に大事にした作りで。
エレンがアコースティックギターを弾くシーンで、ネックを持つ時にちゃんと弦が鳴り、ボディをノックしてリズムを取る時の音がちゃんとしてて。おまけにハミィが起きた後で弾き終えたギターの弦をちゃんと触ってミュートしてる。
一話のラストはサントラ一枚目一曲目の「レッツプレイ!プリキュアモジュレーション」のフルコーラスでシメだったわけですが、最終回もほぼ同じ。(一話は伴奏が先、最終回はコーラスが先で、最後に鈴の音=ベルティエの音が被ります)そしてその印象をつなげたまま#キボウレインボウ#にCMなしで。

要所の演出も冴えていたと思います。「がんばってー♪」「そんな軽いノリなの?」の後のエレンの真顔とか。高橋晃さんのキャラはとても難しいようで、今季の内なる壁は主に作画だったと思いますが、最終回難しい角度の表情も素晴らしかったです。

響が言った「鼓動のファンファーレ」という生命の営みを象徴する言葉が、石化した世界から再び蘇るオーケストラという感じで素敵でした。そして。

物語を通して、最終的に敗者が誰一人いなかった。ノイズでさえ、考えもしなかった安寧を勝ち得た。プリキュアの手を借りて。「悲しみの化身の嬉し涙」をして、組曲は完成を迎えたと思います。
ふたりの組曲は、一年を経てみんなの組曲となってフィナーレ。美しい。

物語の要所の脚本を大野敏哉さんがまとめて書かれたのでぶれが無かったのに加え、最終回演出は一話と同じ、シリーズディレクターの境宗久さん。震災の影響でお話をずらしたそうですが、東日本のほとんどを逆境に追い込んだあの出来事から、このお話・この結論を紡ぎ出したお二人はじめスタッフの皆さんには脱帽です。震災の時、東映の皆さんがすぐに動いて下さったのを、ちゃんと覚えています。メロディとリズムからのメッセージに救われた子供たちもたくさんいたはず。プリキュアシリーズの作中と同じです、いい大人がいるから子供たちが輝けるのだと。身を持って示された東映の皆さんに感謝します。
お名前どうしても挙げておきたいのですが、田中裕太さんの演出回もとても素晴らしかったです。キュアビートが初めて自発的に変身する回など、要所を手掛けてらっしゃってますが、この方のカット割のおかげで「組曲」という重みに相応しい画面になっていたように思いました。

ちなみに大野敏哉さんはアニメーション脚本はスイートプリキュアが初めてだそうです。驚きました。同じ畑で固まっても駄作しかできないよ、だって今のアニメはオタクが集まってやってるんだから、というのはよく言われる事で、同時に畑違いの空気の集まりが三十年を超えるシリーズの始まりにほぼ必須条件だったことを考えるに、大野さんの存在、そして今季物語に大きく関与した音楽担当の高梨康治さんの存在はこの作品をとてもいい方に導いたと思います。

そして目新しさと設定の素晴らしさ。高橋晃さんの絵を是非また拝見したいですし、フェアリートーンを超えるアイテム?的なものは当分無理でしょう。演じられた工藤真由さんは来季はプリキュアに参加していないようですが、オールスターズイベント、そしていよいよ来年となる10thアニバーサリープリキュアで活躍があるものと信じます。フェアリートーンA全部揃えたくて、モジューレからミラクル/ファンタスティックベルティエ、そしてラブギターロッドまでw。それぞれのフェアリートーンが直接的な結合なしにユニゾンするさまはほんと凄いです。あとミューズ用のシリー・ドドリーをベルティエの両端に装着すると…これは子供たち喜びそうですね。まだご存知ないお父さんお母さんはお子さんの誕生日にやってあげて下さい。あのハーモニーも見事です。

ハーモニーといえば。去年はプリキュアオールスターズコンサートと第三舞台の解散公演を一度の上京で見るという一週間で人生の大半を謳歌するかのような出来事があったのですが、この作品のキーワードである「ハーモニーパワー」って、本当にあるものだなぁって。再認識です。この言葉、最初に聞いたときすんなり耳に入ったんですよ。どういうものなのかを経験しているから。スイートプリキュアを見てきた子供たちが、これから先の人生でこの言葉を思い浮かべる事があるなら、作り手の皆さんの幸福でしょうし、私もなんか、幸せです。

今季は1クール単位ですが初めてTVシリーズがBDになっています。(まだ1巻のみ)
予約開始が同時で、4巻が出るのは今年の6月下旬、私がエンター・ザ・四十路する頃ですが、開始日に全て予約しました。ハジメヨケレバオワリヨシ、という言葉と、オワリヨケレバスベテヨシ、という言葉がありますが、最初の2話で既に信用に値するものだったので。(作画的にはDX3に人を持っていかれたのか、相当厳しかったですが…今日は祝いの日なのでその前の作品の話はしませんが、佐々門信芳さんが参加されてた時点で逆境が垣間見えました。サンライズにおいて多くの作品を救った作画界の特殊工作員!ダイオージャのキャラデザイン様でもいらっしゃる)
そして今私の胸にある言葉は「あの時点でBD全予約した、私カンペキ♪(キタエリさんの声で)」です(笑)。

キタエリさんといえばキュアベリー、永遠のセンターキュアピーチ様を擁するフレッシュチームですが、プリキュアには何故かタレント回というのがあって、実在のタレントさんが出てきます。フレッシュプリキュアの時はオードリーでしたが、芝居が素人とはいえ、台本の台詞とはいえ、素敵な台詞を言ってます。
「みんなを笑顔にしたいのは僕たちも一緒だ!」
だったかな。
フレッシュの最後の敵はラビリンス総統メビウスで、ラブさんはコンピュータであるメビウスをも救済する事を試みたもののそれは叶わなかった、という過去がありました。そして今回、響さんはそれを果たしました。最後の敵を、助ける。だってそれが、プリキュアだから。

スマイルプリキュアのシリーズ構成は映画DXトリロジーの監督さんです。プリキュアを知り尽くしている方がひとつのチームをどう動かすのか、楽しみです。
というわけでこれまでのプリキュアについてのエントリ、少しだけいじりました。よろしければ。

※映画版ボスとか森でチェスト守ってたゴーレムとかはノイズのパーツみたいなもんで、ネガトーンの骨部分みたいなもんだということでひとつw。

そうそう、今季の特記事項ですが、フレッシュなどプリキュアの脚本も多くの手掛けてらっしゃる赤尾でこさん(三重野瞳さん)が今季ほぼ総指揮でプリティーリズムという女児向けという方向性ではライバルに当たる番組に参加されていて、それぞれにいいテンションだったのがとても印象的でした。2011年は現実は惨状でしたが、少なくとも女児向けアニメの話をする時外せない年になる気がします。

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