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2009年6月29日 (月)

激しくビミョーな未来像。

 体験版をとても気に入っていて、一時は購入も考えたのにタイミング悪くて買えずにいたフロントライン・フュエル・オブ・ウォーをソフマップで中古で購入してきたのですが…。

 近未来戦争モノというジャンルですが、CoD4もわりとない未来ですがこっちはもっとない未来でした;。これのシナリオを書いた人の頭の中ではロシアは未だソビエトで、スターリン主義で動いているようです。そして東側の国家はとても貧乏なのだそうです。吹きました(笑)。で、貧乏同士で結託して中国とロシアでレッドスター同盟なるものを作ってしまうと。どこの日本のネトウヨの妄想ですか?

 現実においては、環境や資源、知的財産権を巡り、中国とロシアは仲を悪くする一方です。一方で米の保守派とEUが巧みにロシアの孤立化を演出する中、中国だけが全体主義で突っ走っています。ロシアは既に末端の統制ができにくい状況になっていますが、あまり気にかけてはいないようです。一方西側は、オバマ大統領の画一的外交視野をEUが快く思っていない現状。NATOはNATOとして西側というくくりなんだ空気読めやコラ、みたいな動きですが、武器開発にカネ突っ込みまくった上戦争しまくった前政権の尻ぬぐいに必死な上に人権という言葉に敏感な「世界の警察」の新リーダー氏は政治論には馬耳東風状態。彼はネバーランドを作ろうとしているのかもしれません。宇宙に帰ったマイコーのかわりに。そんな中EUの一部がスタンドプレーでおイタをしてるのは相変わらずです。

 ところで、石油資源が枯渇した未来がこのゲームの舞台ですが、最後に残ったカスピ海沿岸地区の石油を巡って第三次世界大戦が勃発します。これも…ないですね;。地球上で最後に産油国となる国はおそらく北米の二国です。そしてその頃には代替エネルギーへの転換を迫られていて石油は燃料としては厄介者でしょう。資源ではあり続けるでしょうが。(石油は燃やすだけのものではないわけで…)

 ロシアが慌てて石油を掘ってるのは遠からず石油を利用することで生ずるリスクが国益を逆に圧迫し始めるのを予見できているからでしょう。まだ温室効果ガスの締め付けが弱いうちになるべく売ってしまいたい。何故か。温暖化が進むことでかの国の国土は埋蔵資源とまた別の温室効果ガスを余剰排出する宿命にあるから。冷戦が終わり東西を問わず先進国に責任を求められるようになった今、永久であるはずだった凍土が溶けて出るガスがかの国の首を絞めようとしています。排出権で解決するナショナリズムの持ち主ではない(あるものはあるべきままで、が彼らの基本理念)ので、油で儲けた大金を投じて温暖化対策に動き出すと思われます。たぶん投資先は米国ないしは東南アジアの技術国ではないかと。本来日本が請けるべき仕事ですが、日本側が蹴るはずです。島がなんだとか言って。

 一方でそんなロシアの都合を無視して中国は温室効果ガスに無頓着であり続け、環境破壊を続ける、と。アムール川上流の汚染の件など、大陸を南北に分かつ大国の関係は悪化する一方です。いちいちロシアのメンツを潰して喜んでいるEUが中国を市場としておいしそうに眺めてなりふり構わない状態になり、ついに日本まで見限ったのは皆さんご存じの通りです。既に東西とか旧共産圏とかいう枠組みは壊れてます。

 ゲーム中では2012年に世界恐慌が起きて東側国家の軍国化が進む、となっています。もっと早くに恐慌は発生し、その火種が西も西、資本主義の枢軸である米国なわけですが、資本主義社会主義が共倒れして中庸のシステムを求められたのも(本来イスラムが受け入れる筈のない経済システムを国家に導入しているのも)幼稚な一元論時代の終焉、という構図の一端です。まあエンターテイメントですからねー。アメリカ発の。わかりやすく敵作るなら東側にしたかった、それだけなのでしょうけれど、千手観音の握手ボクシング状態である昨今の世界は予見が難しいとしたって、いくらなんでも単純すぎ。

 で、このゲームにおいては米を中心とした連合軍の一員として中ロ連合と戦うわけですが、軍隊なのでちょっとエリア外れるだけですぐ軍法会議だなんだと嫌な言葉が飛び出します。自分らは基本的に使い捨てのコマで、持ち上げられる時は持ち上げられますが口先だけで、都合悪いとあっさり状況ごと切られます。

 そして私は先日までベネズエラで傭兵として好き放題していたので、この軍隊にいる感じがもう窮屈で窮屈でしょうがない(笑)。しかも複数勢力の混然とした状況のリアリティはむしろベネズエラでのソラーノ派クーデター事件の方がはるかに上でした。一応フロントラインの架空史実上でもベネズエラで一悶着石油がらみで発生することになってますが、アメリカ主導の革命が失敗してベトナムよろしく強制介入するという歴史になっています。んじゃあそのアメリカの目論見を崩すほどの力をベネズエラに与えたのはどこ?という話になるわけですが。

 世界戦争レベルに持って行かなくても石油資源紛争は地域レベルで終了というテストケースをマーセナリーズ2は上手く描いていたと思います。その微妙なバランスの上での復讐劇なわけですが。それをやった後にフロントラインの歴史はあまりにリアリティがないというか、ストーリー作ったの80年代あたりなんでは?とか思ってしまうほどです。

 FPSとしての出来はそう悪くないというか、体験版が面白かっただけあってなかなか奇抜で楽しめます。無人デバイスを使った攻撃がちょっと独創的ですし、武装のバランスもミリタリーものの中では楽しめる部類だと思います。(マセ2はスナイプがあまり役に立たないというか、ヘッドショット狙うより肘打ちだの蹴りだの入れた方がはるかに殺傷能力高いので(笑)、なんか変わってます)

 しかし核兵器の認識の甘さはマセ2とまた別の意味で眉をひそめる内容だし、ストーリーが進行するごとにだんだんぐったりしてきます。「なんで俺ウヨッカーの命令で主にロシア人と戦ってるの?」と。そう。連盟とか言って出てくる敵ロシア人ばっかりなんですよこれ。なんかなぁ…。

 ロスプラやっててジャップと罵られてアメリカ人とカナダ人に集中攻撃(しかもフレンドリーファイア)された経験がある私は、「なーんか、空気読めない自己中保守派になったつもり坊やがゲーム作ってみましたって感じかぁ?」とだいぶウンザリしました。がく。

 こういう微妙な時期だからこそ、「正義をどこに持っていくかは自分で決める」というシナリオの作品で遊びたい感じなんですが。マーセナリーズ2に惹かれたのは主にそこだし、少し前まで考えるとアサシンズクリードが好きなのもそのあたりです。

 まあ、とっくに過去のことである冷戦時代の話をしてるならまだ可愛いほうかもしれません。まだ第二次大戦の件を自分に都合いいように引っ張ろうとしてる馬鹿が大勢いる国も世界にはありますから。

 先がどうなるかを予見するには、史実の分析より現状の注視と的確な理解の方が求められるように思います。それはフィクションを書く場合でも同じ。なまじ主観が絡んでるものは、合わない人には本当に不愉快なだけなのだから。

 ちゅわけで、今までなかったバランスで手を組んで危機を乗り切るというシナリオの作品で遊んでみたい気が凄くしました。システムいいのに勿体なかったね、フロントライン。

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コメント

>軍隊なのでちょっとエリア外れるだけですぐ軍法会議だなんだと嫌な言葉が飛び出します。
そして軍を去るんですね、わかります。
それなんてJacobsさん?w

投稿: をさねこ | 2009年6月30日 (火) 07時24分

んでいざ古巣の基地に顔だせば「オーウ!クリス・ジェイコーブス!」とか歓迎されんだからやんなるよ(笑)

結局レッドスター同盟のうちロシアを滅ぼすというシナリオなんだけど、モスクワに民兵がたくさんいて「ロシア人は有事にはすぐ武器を持って攻めてくる」とか言ってんのね。まず空爆からスタートする米軍と違ってロシア人は恣意行動をするけど基本的には無血で済ます方向なんだけど。猛烈にげんなりしたぜ?
詳しい言及は避けるがフロントライン作った連中のロシア人感まんまだったら、そもそもうちの親父は大人になってないし勿論私だって生まれてないんだが。

いやほんと、自由度が今のゲームのウリになりつつあるんだから、正義の方向性くらい自分で決めさせてほしいもんだ。戦記もの(史実)だってんならともかくねぇ。上の圧力で特攻特攻また特攻って、俺の人権どこよって感じで。
そいやCoD2のデモやった時も、仲間がんがん死んでるのに最後呑気に酒薦めてくる司令官思わずライフルでヘッドショットしたことあったな。

投稿: ぬまにゃん | 2009年7月 4日 (土) 19時43分

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