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2007年6月30日 (土)

猫科動物を侮ってはいけないモード

 ご近所にアメショを数匹自宅飼いしているおうちがあるのですが、先日そのうち1匹が逃亡しました。このくらいならよくある話なのですが…

 そのおうちのお兄さんが猫を捕まえて家に連れ戻したとき、(極めて希なことだと思うのですが;)なんとお兄さんの手をがっちり咬んだそうで。しかも威嚇の甘かじりでなく、めっちゃ本気モードで。お兄さんは不幸にも手の動脈を貫通されたらしく、おうちの玄関が血だまりができるほどの出血をしたそうで、救急車で運ばれていきました。3針縫ったそうです。本当にお気の毒。これで猫嫌いにならなければいいのですが。

 アメリカンショートヘアーはアメリカに入植が行われた時期に船の中で鼠獲りをするために乗船していた作業猫の末裔と言われています。セミコビースタイルのがっしりした猫で、顎だけでなく足など、全体的に体力のある猫です。日本ではシルバータビー(主にスポットかな)の猫としてその柄から有名になって、一時他の種類のシルバータビーまでアメショ扱いされた時期があったほどですが(^^;、アメショにも黒とか茶色はいます。こげ茶ブチとか。で、猫にも種類によって顔の小さい子や大きい子、すらっとした子がっちりした子がいますが、アメショは品種固定されている中では相当顎ががっちりしている部類だと思います。捕獲した動物の骨を砕くほどの顎ですから、人間の手を貫通するくらい造作もありません。ただし、本来の品種固定に忠実に血統が守られている子であれば、躾けが余程野放しでない限り人に危害を加えたりはしません。気まぐれと云われる猫たちにあって、比較的家畜的要素が強いのが日本での人気の要因でもあります。

 ところで逃亡事件の時、うちの犬(猫大好きで声に即反応)が即座に吠えました。それに応えるかのように逃げた子も鳴いたのですが、さかりの時の声でした。そんな時期だったっけ?と思いつつも、「あれ?室内なのに去勢してないの?」と寝ぼけた頭で考えたのは覚えています。家の中だけで猫を飼うのは、実は病気などを避ける意味で一番安全な飼い方で結果的にお金もお散歩猫よりかからないのですが、去勢や避妊をせずに室内だけで飼うのは少々無謀だと思います。猫たちの本能は、躾けでコントロールできるレベルではないのですから。(それを躾けられるのは、野生動物レベルの接し方ができる人間、ないし別の動物だけです)

 猫科の動物というのは肉食の哺乳類において地上で最も「強い」といえる生き物です。虎とグリズリーを戦わせるという下品な発想はないですが;格闘に長ける熊との違いに運動性の高さがあります。顎が強い獣はマズル(鼻先)が短く顔が横に広がる傾向がありますが、猫科動物の写真を見ると、総じてマズルが短く丸顔~横長の顔をしているのがわかると思います。ようするに、咬む力は相当です。その上で、前足を格闘に使うだけでなく相当な速さで走ることができます。そして種類によりますがだいたいは賢いです。狩猟をする時は対象の動脈の位置を的確に狙って最初から止めに行きます。大抵の野生の猫科動物は、自分より大きい獲物を普通に仕留めます。

 この能力は古来人間と共に生きてきたイエネコにもしっかり伝わっています。高い隠密性や瞬発力、人と違う可視領域など、狩る、ないし戦うために他ならない力をたくさん持っているのです。コミュニケーションがしっかりできていないと危ないのは犬も一緒ですが、今回のような事故が生ずる時、怪我が重篤になりやすいのは猫の方だと個人的には思います。あってはならないことですが、もしどちらかを停止させないと終わらない状況が発生した場合、猫が本気で狙って咬みにきたら、その後の制圧は楽だったとしても、下手をすると人間も失血性ショックでサヨウナラです。犬はとりあえず咬める所咬むので、咬ませてその後は人間のターンになります。(人間が冷静であることが前提。力で振り回されたら裂かれないように力を抜けばいい)犬にはそれこそ人にも犬歯という歯があるのでわかる通り立派な牙がありますが、実はマズルが長い犬ほどあの歯は上手に使えませんし、さして力はかからないのです。マズルが短い犬は猫同様の怖さがありますが。(ブルドックとかね)マズルが長い大型犬に咬まれそうになったら、わざと咬まれそうな部位を犬の口の奥に押し込んでやるといいです。咬めなくなります(賢い犬はそれをやられた段階で離れます)。

 相応の感受性を持った人間であれば、さほど危険はなくお付き合いはできますが、ペットがただのぬいぐるみの延長な人ほど危険かもしれません。よくあるペット放置はこの手のトラブルで発生することが多いと思いますがいかに。

 一方的に「人間が上位生物」と思ってペットを飼うと危ないです。今回ご近所のケースでは室内猫だったので咬まれても感染症の心配がありませんでしたが、咬んだ猫が外猫だった場合、もしかしたら致命傷だったかもしれません。犬は従属するように調整された家畜ですが、猫は基本的にそうではありません。その自主性が好まれて今まで愛されてきた家畜なので。(元来神の使いとされた動物だったわけで)

 猫は飼うというより、パートナーとして迎えるくらいの心構えでいる方がいいでしょう。猫と人間が相互に認め合う関係を体感した時、たぶんほぼ全ての人は猫好きになっているでしょう。(猫より犬が好きという人は、犬の簡単さに甘えてしまって、猫とそこまでの関係になれないでいる人だと思います。両方育てた人で犬を選ぶ、という人は少数派かもしれません。逆に言うと、それくらい人は「言う事を聞く犬が好き」ということです。勿論、同じくらい好きで選べない、という幸せな人も中にはいると思いますが)

 どんな動物でもそうだと思うのですが、かわいさだけで見てはいけないと思います。あんなに小さな虫たちでさえ人間を病院送りにすることはできるのですよ?;増して同じ哺乳類の、陸上の上位種です。畏怖の気持ちも心の片隅に置いておくべきかと思います。

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コメント

偶然ですが、うちの嫁もつい2日程前、なんかの拍子に飼い猫に人差し指の付け根あたりを噛まれました。見た目はちょっとした穴なんですが、段々腫れてきて、痛みが激しく。次の日病院行ったら、「このままにしてたら指が動かなくなってたよ」と。どうやらばい菌が神経に直接作用してたとかで、カサブタ剥がされ、傷口をぐりぐりされたそうです。どんなに慣れても油断は禁物ですねぇ。

投稿: てれとらん | 2007年6月30日 (土) 12時39分

ありゃ。外猫はこれがちょっと恐いところですね。私感ですが外猫から傷を貰ったら用心してすぐ病院に(夜間外来でも)行くべきだと思います。ばい菌の類は武器ですからねー。
すぐに気づいてなによりでした。てれさんの奥さんだしそれで猫嫌いにはならないでしょうが、お大事にと一言。
今は家に猫がいませんが野良と遊ぶ機会が多い私とかも油断禁物ですねー;

投稿: ぬまにゃん | 2007年6月30日 (土) 23時14分

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