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2007年2月15日 (木)

防衛省には意外とキレ者がいるようだモード

 FX(F-4ファントムの後継)導入にあたって、候補である6機(F-22、F-35、F-15FX、F/A-18E/F←ここまで米国、ユーロファイター、ラファール)のうち、とりあえずF-15FXとF/A-18EF、そしてユーロファイターについて照会に対する回答があったとかで、とりあえず実機検証に入るとの報道がありました。

 嘉手納にラプター(F-22A)が来たのでFX売り込みじゃないかという話がありましたが、私はその話懐疑的でした。つい一昨日まで行われてた6ヶ国協議をスムーズに行うための遠巻きの圧力だと思ってたんで。実際、米議会でラプターの輸出は一度却下されちゃってる。

 ラプター導入にあたっては確かに問題も多くて(導入するとしてライセンス生産でなく「購入」なので独自改修は見込めず、そうなるとウエポンベイ短いので、技本がショートスケールのAAM作るまではAAMも購入しないといけない、など)あまり現実的ではありません。制空戦闘能力に優れますが、日本の場合対空戦闘は艦船からのミサイルでやっちゃうという手法もアリなので、無理にラプター入れる必要はない気もします。ただ、ステルス性などやはり魅力的な機体ではあります。スーパークルーズを使えば配備基地にフレキシビリティも生まれることでしょう。

 F-4のロールから転用ならスーパーホーネット(F/A-18E/F)が適任というか実際米海軍ではそうなってる筈ですし、低速時性能に優れる機体はこと日本においてはメリットかもしれませんが、そのポジションに入るのが他ならぬライトニングII(F-35C)でありw、スーパーホーネットのチョイスはそれこそロングボウアパッチ「入れちゃった」陸自同様の失敗に繋がりかねないのでなさそうな気がします。(まあ、米軍はヘリコプターを進化させることを諦めてしまったので、そもそも米国からヘリを導入しようとしたプラン自体が失敗でしたが)
 ロートルじゃないの?という評価が多そうなF-15FXはラプターの導入数を減らした米軍も並行して配備する可能性があり、となると想像以上の内容になる可能性はあります。しかし耐G性能が9Gに上がったと言っても、それなら同じ9G対応候補機であるユーロファイターを選べばラプター同様スーパークルーズついてくるじゃん、というのがあります。ユーロファイターはステルス性はありませんが。

 しかしこのコンペにあえてユーロファイターを入れたあたりに、防衛省の調達担当の駆け引きの上手さを感じます。自衛隊機は米軍のシステム戦略とのリンクを当然念頭において配備されていますから(だからアパッチなんてゴミ掴まされた)、米軍機でなくてはいけない、という暗黙の了解が半ばあるでしょう。ここで例えば「技術試験用にユーロファイターを3機入れる」と発表してみます。機数は少数でOKです。検証済んだら他国売却なりアグレッサーにするなりできるでしょうし。米国は「まさか本気で入れるわけは…」と思っているでしょうから、ユーロファイターを入れて那覇から三沢までスーパークルーズさせるテストを繰り返した上で、嘘でもいいので「良好、アビオニクス変更で3候補中最も実用に耐える可能性アリ」と公表しちゃえばいいのです。即座に米軍はラプターの少なくとも実機テストには応ずるでしょう(笑)。で、テストさせちゃった以上は売る羽目になるだろうと。

 機体の決定は2年後までとなっていますが、予定はずれ込むものと決まっているのでライトニングIIの線もなくはないと思います。実際、ファントムのポジションからのリプレースであれば、だいぶ積載能力に不足はあれライトニングIIのおそらくA型(B型は日本においてもその性能を存分に発揮するでしょうが、空自がジャンプジェットの導入経験ないので、高価なB型より簡素なA型というチョイスになると思います。日本の滑走路が短いと言ってもC型は流石にいらないでしょう。でもA型はC型に統合される、という話も出てますが;)が適任という気がします。国際共同開発機で日本は参加してなかったから…という話がありますが、アビオニクス系開発、ないし難航している軽量化対策のための素材開発への参画を今からでも表明すれば喜んでプロジェクトに組み入れてくれる筈です。NATO系共同開発機の導入は陸自で既にやってることですし。
 結局ろくにF-2Aも入れませんでしたから、そんなに数入れないでしょうし。ラプターはF-15Jの代替というタイミングでもまだ導入のチャンスはあるでしょうし、その頃には米軍自体が現状まだ練られてないラプターの対地攻撃ミッションの研究をもうちょっと進めてくれていることでしょう。

 いずれにしろ防衛省としては今からステルス機能のない「戦闘機」を入れる気ないでしょうし、今回のテストはあえて「欧米を秤にかけて米をこきおろすことで『とっておき』を引き出す」というただの恣意行為に見えます。というかそうでないと困ります(^^;。表面的にはスーパークルーズや優れた耐G性能、マルチロール機というポジションなどいかにもファントム後任に相応しいように見えるユーロファイターですが、既に複数の国にテストされててどこも既存機で妥協しちゃうような出来なので(笑)、かませ犬にしかならないでしょう。

 まあそれにしても一部の皆さんが仰るところである「純国産ステルス機」も見てみたい気はします。1機いくらになるか怖くて想像できませんが。

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コメント

スパホは判んないけど、普通のホーネットは離陸時うるさいんです;
ファントムもひどいけど・・・

ユーロファイター、テスト用でも配備になれば航空祭で見られるのかしらん。

投稿: いわ | 2007年2月15日 (木) 11時14分

夜間離着陸で訴訟はもう嫌だろうから、スパホもブラフかもしんないね。
F-15FX入れるとして少なくともドライデンにあったACTIVEと同程度の機動性能が必要だと思うけど(カナードとスラストベクタリングね。おまけで排気冷却で静音飛行が可能)あっちはあっちでラプター以上の機密をソフトウェアに抱えてるだろうから、防衛省の期待値には届かないと思うんだよなぁ。

結局「空戦で中国に負けない」を想定してるだろうから、フランカーの34あたりとやって優位性を保つとなるとやっぱりステルス機なんだよねー。
アメリカがどうしても折れないならSu-47(ベルクト)でも入れればいいんだ(笑)。ロシア機を西で使うのはどこも断念してるけど、駄目出しとフィードバックを日本がやると言ったらたぶんロシアは最新型の拠出に折れるだろうし、そこまで話が進んだら米国が割り込みかけてラプター売りつけるだろう、きっと(笑)。

ヘリコプターだけど、米国製ってぶっちゃけ駄目だと思うんよ。ゲリラにものの1週間で種類問わず10機落とされちゃうような国のは。(米国自身マリンフォース1を英国製にしちゃったしね)パイロット育成に時間かかりすぎる上落とされまくるアパッチは、こと人材不足に悩む日本では論外。唯一の希望だったコマンチ亡き今ティーガーだったんではないかと未だに思う。

まあ、一度ロシアのヘリ買っちゃって(Mi-28NEなりKa-50/52なり)アビオニクスと武装を全部西のものにしてしまうテストを技本中心でやってみりゃ、それ以降もうヘリはロシアという慣習ができるかも。韓国には売り込みやってんだけどねぇ、ロシア。
で、足がかりをつけたところであのおばけヘリMi-26ヘイローを売ってもらうわけだ。民間機もあるけどバリエーション多いから役立つぞ~。韓国も使ってるのがちとアレだが。空中給油機に使えるヘリなんてそうそうあるまい。ただ、燃料はアホほど食うヨーとロシア人が言ってたけど。

投稿: ぬまにゃん | 2007年2月15日 (木) 14時54分

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