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2006年10月13日 (金)

死角なし!モード

 順序として逆になっちゃうんですが、先にレクサスLS460の話をさせて下さい(笑)。

 きっかけはLAY師のご友人がLSを欲しがっているという話を聞いたのと、私個人今や世界一の自動車メーカーであると思うトヨタの「技術の粋」を見てみたいという気持ちが強くあったからでした。およそ1年ぶりくらいにレクサス盛岡に出向いたところ、IS/GSの担当営業さんはちゃんと私を覚えていて下さり、当時仕様について間違った説明を1つだけしてしまったことをお詫びして(いや、ぜんぜんお詫びされるようなことじゃないですよ?)下さいました。1年ぶりの客を覚えているだけでも正直驚愕だったのですが、会話内容までしっかり覚えていて下さったことに感銘を受けました。素晴らしい。ビートで乗り付けるなり営業さんがお店の外に出て用件を聞きにいらっしゃるし、試乗の段取りもスムーズで他地域で耳にするような「アポのない客爪弾き」みたいなことはありません。今回は試乗コースを3つから選べるようになっており(高速、ワインディング、シティセクション)、同乗の説明員さんも非常に熱心でした(売り込みでなく、機能説明に)。
 レクサス盛岡さんにワタクシ主観の勝手賞として「岩手自動車ディーラー・オブ・ザ・イヤー2006」を。いやマジで凄いお店です。福来さん本当にありがとうございます。

 で、LS460ですが。まずマスコミに言いたい。「この車を『セルシオのモデルチェンジ』と定義して、イメージを固着させるのはやめてほしい」。ISの時にも思ったことですが別物です。変に「見栄っ張り向けにわか高級車」のレッテルをひきずらせることで、この車の価値を貶めてほしくないのですよ。この車は、私の主観では「車に興味がある全てのドライバー、車で移動することのある全てのパッセンジャーに体感してほしい」車です。そう、それほどまでに素晴らしかった。この車を売っている国であることを日本は世界に誇っていいです。なにせ比べる車がない。

 方々で書かれていることですが、この車独自の良さを書ききろうとすると本が1冊出ます、いやマジで(笑)。なので私らしくわかりやすく行きます。難点から入ったほうが早いので先に書くと、「電子制御ステアリングはもうちょっとキックバックを強めにしつつ、重めにした方がいいかもしれない。今のトヨタならこれらの重さはユーザーが調整できる機能の範囲に収められるのではないか」と「このエンジンこのミッションでスピードメーターが180km/hまではいくらなんでも勿体ない(笑)、この車なら何の問題もなくフルスケール行ける筈。国内にこだわることはなかった」、あと強いて言うなら「グリルのデザインをもう少し冒険しても良かったかもしれない」この3つだけです。

 エンジンをかける。なんとウェルカムの画面とサウンドロゴが入る(ここでもうワタクシおおはしゃぎw)。車でサウンドロゴやっちゃうか!と。メーターパネル内のカラー液晶にレクサスロゴが出て同時に音、です。そしてハンドルが乗降位置から運転位置に下がります。まさしく「この車へようこそ」と言われたかのような感触。イグニッションで独自の世界を演出する車は今までもありました。しかしこういうアプローチは初めてでは?

 内装はよく考えられてて、ウッド入ってますが下品さがないです。ボタンが非常に多い、最近のトヨタの電装車らしいコックピットですが、うるさい感じはしません。で、あるべき場所にあるべきものがあるので非常に気分がいいです。

 パーキングブレーキはDレンジに入れるだけでオートリリース(Pレンジでオートオン)。まず感じたのは「ステアリング軽いな、でもL2L※は短い」でした。そして低速域でも十分に感じるリニアリティ。長さ5mオーバー、幅1.9m弱、重量2t弱という数値はこの時点で頭に入っていません。
※L2L:Lock to Lock

 シティセクションでのドライブは軽快の一言。電子制御エアサスは見事なもので、例えるならジャガーXJなどのそれが近いかも。突き上げという言葉とはほぼ無縁のドライビング、そしてルーフを開けてなお静か。若干エンジンの震動がステアリングに来るものの、不快というレベルではないです。私は気にならなかったけど、ここは気にする人は気にするかも。そして車は郊外へ。ここで8速シーケンシャルシフトを試してみました。と言っても使ったのは下の半分(4速まで)だけ。それだけで十分走れます。このミッションアッセンブリの出来は秀逸で、他のレクサス車にあった「Dレンジの出来が良すぎてかえってシーケンシャルだとシフトショックを感じる」といったことがまるでありません。シフトノブのストロークは極めて短く、手首でコクコクと決まります。非常に気持ちいい。
 ワインディング登り低速。エンジンパワーに余裕があり、かつその制御が極めてうまくいっているので、重量のあるFRでもタイトターンの恐怖感や急なシフトチェンジによる突き出されなどは一切なし。路面負荷にほぼ関係なく操作性は常にフラットな印象。ワインディング下り、いくつも曲がった交差点でも実感していたけど、あの乗り心地に対してこの路面への車体の追従は本当に凄い。運転している分には全くロール感がない極めてフラットな走りをします。それはワインディングでも同じ。そして、驚くほどノーズの入りがいい。これほど明確に「ノーズがキレイに入るなぁ」と感じさせる車はスポーツカーでも珍しいと思います。ライントレーサビリティも語るまでもなく正確で、そのお陰で車福を感じずに運転ができます。ワインディング登り高速。ルノー車のテストに使っていたコースですが、ここでこの車の素性をがっちり見せ付けられました。センチュリーをはるかに上回る乗り心地を常時キープしながら、相当ハイアベレージでコーナーでわざとインに突っ込んでもまずアンダーは出ません。わりと大雑把に切ってもちゃんとその切ったとおりインに入れます。そしてゾクゾクしたのは、シーケンシャルで下のギアを使った時(速度域とギア比がマッチした時)に発揮される、怖ろしいまでのエンジンのツキの良さ。曲がりの良さと相俟って、「気持ちいい!」と。賢すぎる車はつまらないと言う人もいます。それは、本当に賢い車を知らない人の言葉だと思います。この車は賢いけれど、面白い。攻める気になれるし、車はそれに応える。しかも、相当高いレベルで。ワインディング下り高速。このコースのハイライトである山の頂上から急な下りプラスタイトなS字というハードすぎるコーナーでも減速の必要を感じなかったのは、いろんな車でこの道を走った中でもこの車だけでした。試乗を通して、ブレーキングは自制心で発揮される場合の方がはるかに多かったです。(2t弱を支えるとは思えない、素晴らしいリニアリティで、3桁から通常域まで一瞬で減速かけても嫌なマイナーGは出ない上にきちんと狙った速度に収まります)減速シフトについても。この車のミッションはDSGとはではない筈ですが、4速少し回し気味から2速に一気にダウンしても、シフトショック皆無でした。回転数は相応に上がっていなしをかけて(不可能なシフトダウンだと警告音でキャンセル)、そこからきっちりエンブレに移行します。いやいやこれはとんでもないよ。加速については実測では流石にジャガーのXJ-SuperV8にはかなわないですが、体感でそれに近い「感覚」を得ることができる。ジャガーの4.2Lスーパーチャージャーつきエンジンはほとんどレーシングエンジンで、それに近いフィールがあるということは、すなわちLSもまたレーシーな動力系を持っているということ。F1参戦しているのにそれっぽい車がない事に不満を漏らしていたわけですが、こういう形で「F1参戦メーカーらしさ」を出してくるとは思いませんでした。そして減速。相当アウディを研究したんじゃないでしょうか。ミッションコントロールと荷重移動まで含めて、ここまで質が高い車に乗った記憶はありません。唸りっぱなしでワインディングを抜けて幹線道路に戻りました。

 ここでちょっとお遊び。0km/hから120km/hまで使えるという、やたらワイドレンジなくルーズコントロール(もちろんレーダーと、ステレオカメラ(立体視)を使っています)を試してみました。おー、ついてくついてく。そしてちゃんと減速するする!(笑)信号待ち停止を足の入力なしで終わらせたのには感激しました。ちょっとその後の発進追従の操作に戸惑ったものの、一度追いついてキャッチすればもうあとはペダル踏む事なし。いやいやこりゃ楽だって(笑)。ディスコ3乗った時にも出た言葉でしたが「今から東京行け言われたら行きますよこりゃw」と。まるで疲れる気がしませんでした。で、最後にストレートでもう一度あのツキのいいエンジンを堪能して、トヨタお得意のバックカメラ誘導制御を体感して、場所さえありゃこりゃぜんぜん普通に使えるわ、と感動したのでした。とにかく、大きさも重さも感じません。VWグループのテスト車に、任意の車種のプリセットパターンを定義すると完璧にその乗り味を再現するA8があって、清水和夫さんをして「A8がロータスエリーゼに化けた」と言わしめた技術があるそうですが、恐らく今のトヨタなら同じ事をしてみせるでしょう。

 ユーティリティのチェックもしてきました。乗ってすぐ驚いたのは「よそ見センサー」と「盗難防止カメラ」でしたが、細かいとこもしっかりしてます。フロントドアのウインドウ前端下にエアコンの細い吹出し口がついてます。普通は外側のエアコン吹出し口でやることだと思うのですが、ドアミラーが確実に見えるようにという配慮がなされている、というわけです。そしてハンドルにはハンドルヒーターが入っているそうです。これ、シートヒーターなんかより全然ありがたい。雪国では冬にステアリング握るの結構苦痛なんですよ。だから雪国育ちのドライバーはグローブ使う人が多いんじゃないかと思うほど(私はぶれを嫌うのでグローブしない人)。そして後席。ルーフから下りるモニターはミニバンでおなじみですが、扱える機能も凄ければDVD見た時の環境も凄い(笑)。しっかりdtsサラウンドになってました。左右独立エアコンは当たり前、リアシートもシートアジャストがしっかりついています。そして驚かされたのは、パッセンジャー優先シート設定モード(正式名不明)。左後ろの席が右ハンドルの国では一番大事なお客さんの席だと思うのですが、ボタンを押すとナビシートが前進、シートバックが前に30度程度倒れて、さらにヘッドレストが前に倒れこんで、パッセンジャーの足元と視界を十分に確保します。正直、これ乗った後にベンツ買っちゃう奴は余程のブランドキ○ガイだと思いました。他のメーカーならまだ「四駆」とか「味」とか逃げ道あるんですが、ことメルセデスに関してはもう鼻っ柱折られた状態だと思います。国産では並ぶものがないし。間違いなくセンチュリーよりもいいです。

 なんというか、乗って面白かっただけでなく、いじっても面白い車で、これが最先端なんだなぁという印象がひしひしと。にしてもあの素晴らしい動力系はセダンだけにしておくの本当に勿体なく感じました。「NSXみたいなスポーツ作ってほしいですね、このエンジンで」と言ってきたんですが、作ってますねそういや。LF-Aをw。俄然楽しみになりました。
 もう、なんというかいろんな経験則を持ち出しても褒める言葉しか出ず、試乗できた事がとても嬉しく思えました。本当によかったです。営業さんメカニックさんも「自信つきました、ありがとうございます」と言っていただけて、よかったです。あとはLAY師経由でLSどうだろうと聞いてらした方が買うかどうかくらいですね(笑)。

 LS600hも非常に楽しみです。「死角のない車を作ったなぁ、トヨタは」と感心しきりでした。この車に対抗する要素があるとしたら、重ねて言いますが固有の味(走り・デザイン両側面において)くらいでしょう。BMWのE90セダン以来久々に「完成品」に乗った気がしました。

 

 さて、今日のもう一方の主役、新型TTです。やはり実物見てみるものですねー。一番写真で見て疑問符だったポイントが、実は一番デザインのハイライトになっているという意外な感想となりました。具体的にはヒップラインです。先代もそうでしたが、TTはルーフラインがきれいに弧を描いているのが特徴で、そこからリヤガラスにかけて直線になって、その先の処理が前回と今回で違うのですが、先代のシンプルな直線志向に対して、今回は非常にグラマラスなラインになっていて、そのコントラストがとても美しいのです。ドアの高さとか全体に厚みを増した感じとか迫力でしたが、特にリヤの印象は実物良かったなぁ。

 フロントはがっちりデザインされた先代から、少しスポーツとしての印象を意識させるものに変更になっています。これは、この車単体だと少し弱い変更なのですが、この後アウディR8がデリバリーになった時に効いてくるデザインだと思います。「あのR8に似たアピアランス」というのは、バックミラーに映った時強烈なインパクトになる筈。もちろん、この車単体でもシャープでいいです。店長さんと2人(アウディ岩手の店長さんは非常に洋車に造詣ある方です。自社他社問わず)、「これで4シルバーリングスがボンネットに乗ってれば完璧でしたね」と言って笑ってました。

 ユーティリティについて。コックピットはきちんとタイト感を演出していて、ナビも標準装備になったことで先代の後付け時のひどい手間から解放された上、操作しやすい位置に来てました。ちょっと残念だったのは、ナビを入れた都合エアコンのコンソールがシフトレバーとナビの下に埋もれてしまい、若干操作が大変そうだったこと。運転まわりはそんなものかな。マグネティックライドコントロールや電動スポイラーの制御などのスイッチ類はシフトレバー手前に行儀よく並べられており、きちんとデザインされていてポン付けな感じがありませんでした。ちょい面白かったのはサイドブレーキ。バーの部分の上にアームレストついてます(笑)。今回はリヤシート一応使えるという評判だったので頑張って収まってみましたがw、先代は「無理。これ無理」の世界でしたが今回はエマージェンシーなら使えそうな気がするかな?という感じでした←だいぶ頑張ってるな私w
 意外だったのはトランクルーム。ちょっと浅いです。ボードをめくるとバッテリーと、パンク補修剤などのユーティリティキットがウレタンのパーティションに納められていますが、明らかにスペアタイアのための大きな丸い空間がありました。これはデッドスペースなので、まだローカライズで着手できなかった部分だと思います。マイナーチェンジ後に恐らくこのへんは変わるでしょうね。うまくまとめれば3~4cmラゲッジルームのボード下げられるはず。

 電動スポイラーは結構急角度で、かなりダウンフォースを稼ぎそうでした。確かシューティングブレイクにはついてたディフューザーを今回採用していないので、恐らく上だけでかなりいけるということなのでしょう。

 明らかにアウディの顔をしているのに他のモデルよりはるかに攻撃的な印象で、前作のまったり顔とは明らかに違うものです。ディメンジョンも拡張されて、幅は1800mmの大台を超えました(1820mm)。しかし重量は前モデルよりも軽いあたり、今回のTTには「本気のスポーツ」を感じました。

 月末にはFFモデルの試乗車を作れますとのことで、楽しみです。つい店長さんと長話をしてしまいましたが(R8の話題とかでw)非常に楽しいひとときでした。ふとA6の話になったのですが、LSに乗った後の感想だと「アンダー1千万でセダン買うならLS、でももう少し(装備が)普通で、(走りに)もう一味欲しいならA63.2クワトロ、その下ならE90の330、さらにその下ならパサートV64モーション、(中略)軽が嫌ならベルタの営業車仕様が一番下」というチョイスになる印象でした。いやぁ、今セダン選ぶの凄く面白いですよ。ちょいオーバー1千万だと「ガツンが好きでエレガントも好きな人はXJの4.2Lスーパーチャージャーモデル、そうでないならやっぱりLS」です。

 いろいろ面白いものを見た日でした。

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コメント

なんと!
LSにもう乗られたとは…羨ましい限りです!
リサーチによると,G県のレクサス・ディーラー
にはLSの試乗車がないのだとか★
〈県庁所在地・G市に3店舗もあるのに…〉
…ん!?
W県のディーラーに"version S"の試乗車がッ!?
そういえば,来週末は「関西コミティア」に
サークル参加するため帰省する予定が….
…ふっふっふっ☆

投稿: Jolly | 2006年10月14日 (土) 19時36分

じゃあもっと悔しがってもらいましょうw。私が試乗したモデルはフラッグシップ中のフラッグシップ、Veasion UのLパッケージのそれもフルオプション車です。余裕で一千万超え(笑)。GS-hがあるみたいなので、近いうちにまた行くかも。

投稿: ぬまにゃん | 2006年10月14日 (土) 20時50分

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