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2006年10月30日 (月)

冷めた国、熱い国モード

 過日のセガサミーメディアの件でセガサミーホールディングス(SSH)の報告書に触れましたが、北米での売れ行きに「XBOX360 CONDEMNED 27(万本)」とありました。このタイトル、洋ゲー好きの間では「そこそこ面白いけど短いよね」ということであまり評価は高くないです。でも27万本。しかも発売から5ヶ月以内で。

 これって「360が流行ってる云々」で片付くレベルの数値差でしょうか?いま日本で27万本売ったら相当なヒット作と言える筈です。しかし米国では「わりとありきたりなタイトルの1本」がこのセールスを叩き出しているという現実。日本では3万本行けば御の字と言われているのに。(アイマスがらみで伺った話ですが、今年ギャルゲーでだいぶ調子が良かったタイトルであるキミキスが5万本だったそうです。360のアイマスがそれを超えられるかな?という話題でしたが。mixiの360アイマスコミュの皆さん話題拝借すみません)

 360タイトルの中では好調かな?という印象だった旋光の輪舞ですが、公式サイトで「1~2万本の間です」とのことでした。雑誌の販売本数データ欄に載らなかったので心配したユーザーさんの質問を受けての回答でしたが、「集計店以外での売れ行きが多かったようです」とのことで。ネットワークユーザーが大半の360オーナーは、わざわざ店頭に出向かないゆえに販売の実数はメーカーしか把握してないのが360の実情っぽいですね。台数のわりには本数出てるかな?と思いますが、昔なら3万本は固かったであろうタイトルなだけに、ちょこっと心配はしてしまいます。でもメーカー側の認識は「ちゃんと売れた」だったので、大丈夫なのかなと。(これを下回る売れ行きのPS2タイトルも多数ある)で、旋光の輪舞は海外からも要望が多いものの、今のところ国内専売タイトルなわけですが…。

 先日のCEDECでDOOM~Quake~Unrealの開発者として名高いJay Wilbur氏の講演がありました。彼は講演の最後をこう締めくくっています。
「Xbox 360は確かに日本では成功していない。だからといって、日本のゲーム開発者はXbox 360におけるビジネスチャンスを逃す手だてはないはずだ」
 そう。北米には、ごく普通のタイトルにも十万単位で顧客がつく市場が存在するわけです。(しかも、いまだシェアとしてはトップであるPS2でなく、日本の区切りで昨年度の範囲、まだハードが行き渡っていない段階のXBOX360の市場で、です)

 これならカプコンがあちら向け注視するのも頷けますし(それに伴って国内向けを支えたプロデューサーさんが辞めてしまわれたのも仕方なく思えますし)、セガが日本で開発したゲームのコンシューマー版を日本語にローカライズしたがらなかった(OUTRUN2006のように)のもわかります。マクロ視点だと、もう日本はゲームが売れる国ではなくなってしまっているのでしょう。悲しい話です。
 それでも極力ローカライズを進めている各社の姿勢は褒められるものだと思いますし、そこにあえて完全日本向けを投入するバンダイナムコのチャレンジは賞賛に値すると思います。

 最近よくわからないんですが、私たちのようにゲームの話を「面白さ」と「市場理念」の両側面で見ている層のゲーマーってどれくらいなんでしょうね。ぶっちゃけた話、理解度や知識の正確さはともかく深い関心を持っているという意味で、私たちは特定の機種における「確定顧客」といえるわけですが(ライトユーザーのような浮動顧客ではない)、全ての機種のファン(被っている方も含め)を合算しても、既に日本には100万人いないのではないかという気がします。一度、この層の実数を正確にとらえる必要があるように思うのですが。自分から良作を探す層が既に失われているとしたら、日本のマーケットの冷め方はとんでもなく深刻なレベルになっていると思います。

 アーケード版アイドルマスターのプロデューサーカード枚数は確か10万枚ちょいだった筈です。Pカードのほうを複数持つ人は少ないと思うので、結構な数の人がとりあえずプレイを試みたということになるでしょう。この切り口だとそこまで冷めていない感じですが、「多数ユーザーのいるハードなら定数は出る」というのはもはや昔話であるという事を認識できていないプレイヤーも多く、実はコアユーザー層にとっての「期待されるタイトル」は、もはやどの機種で出しても本数は同じ、それなら少しでもいいものを、やりやすい環境で出したいのがメーカーの意向でしょう。

 辛い状況ですが、ビデオゲームを愛するのなら、少なくとも気に入ったタイトルのあるハードは追従しないと日本ではもはやゲームを楽しめない、と言えると思います。こればっかりはもうどうしようもない。ライトユーザーはもっと手軽なもの、ないしはゲームとは言い難い実用的なものに興味を移してしまった。惰性でRPGが売れることはあっても、他ジャンルは厳しい。私たちは「取り残された人々」である自覚を持たないといけない時期にあると思います。逆に言えば、エンスージアストであると。

 エンスーという立場は、熱狂する対象への投資を惜しんだらその瞬間に終了です。経済的にはチキンレースと言えるかもしれません。なんとも辛い状況です。

 結局のところ、今一番健全というか、安心感を持ってゲームを楽しめるのは、実はPCユーザーなのかもしれません。同人サークルが作った、それほどハードパワーを要求しない作品をこつこつ楽しむ。市販ソフトのような派手さはないにせよ、昔懐かしい味であったり、そこにしかない楽しみであったり、何か心を打つものは必ずある。商業主義でなく、よくも悪くも「好きな人が好きな人のために作っているもの」だから。

 そんな感じで、日本における「ゲーマー」文化は、よく言えばコアな、悪く言えばアンダーグラウンドな文化にシフトしたと言えなくもないでしょう。そういうものがマジョリティである筈もなく、です。悲しいことですが、「洋ゲー」という心の垣根があるうちは、日本のマーケットが暖まることはないと思います。(もともと、普通のソフトが10万本なんていうほどの熱狂は、ファミコン時代から無かったわけですが。日本人は欧米人ほどゲームが好きじゃない、というのが結論なのでしょうね、結局のところ)

 でもそこで諦めて、もうゲームはいいや、と思ってしまったらそれこそ本当にお終いなのだと思います。こういう時だからこそ、機種どうこうではなく、好きなゲームを買って遊ぶという習慣を大事にするべきなんじゃないでしょうか。

 世代がシフトしたのもマーケットの変遷の理由ではあるでしょう。バーチャファイター2がミリオン取れた時代を過ごした皆さんは、たまには一度飲み会をキャンセルして「これかなぁ」と思う気になる一本を自分の目で探してみませんか。ただの社会人をやっているよりは、ずっと楽しいと思いますよ。ゲームやるような歳でもないという見栄があるのだとしたら、その発想こそが子供じみていると指摘させてもらいます。ターゲットとする世代の違いはあるにせよ、娯楽自体には年令の区別はありません。高尚な趣味というのはそういうものです。

 そして、かの国々の人々がどうしてああも熱いのか、それを日本の目線で分析するのも急務だと思います。日本のマーケット眺めてくだらないコメントを出している暇があったら、もっとこのマーケットのためになる動きを示して下さい、マスコミの皆さん。

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