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2006年10月29日 (日)

とんでもないヒットメーカーさんモード

 前期今期の萌え系アニメの主題歌を片っ端からかき集めて、作詞の欄を見るとそのうちの多数にこの方の名前を見ることになると思います。

 畑亜貴さん。

 Wikipediaで検索するとまあ作詞家としてのキャリア出るわ出るわですが、もともとこの方はゲームメーカーで「作曲」をされていた方です。Wikipediaではコナミとありますが、石で鳴らすプログラム指向の作曲仕事で最も評価が高いのは、トレジャー初期(メガドライブ時代)にやった「幽遊白書~魔強統一戦」の曲でしょう。(サントラではアレンジ版をバックに自身で歌われていますが、このへんがきっかけで「エターナルメロディ」のサターン版主題歌を手がけることになったのでは、と思います。(ちなみに同作と「悠久幻想曲」において、PS版は伊藤真澄さんが同様にシンガーソングライターとして参加されていたことで交流が生まれたようで、この繋がりが後にかの名曲「空耳ケーキ」を生み出すに至ります。伊藤さんが作曲と歌を担当されるケースが多いですが、畑さんの曲も素晴らしく、歌声もキュートです。SS版エターナルメロディのED「どうしよう?」は必聴)

 疑問符な歌詞を書くと日本一って感じがするほどに、問いかけの言葉の使い方が上手い作詞家さんです。個人的に秀逸に思ったあたりでは「天使のしっぽChu!」のED『ねむねむ天使』の歌詞がそっち方向に素晴らしいですし、最近のものでは「おとぎ銃士赤ずきん」の主題歌『童話迷宮』で、童話というテーマのちょっとミステリアスな部分を演出するのに絶妙なタイミングで織り込んでます。

 キュートな歌詞からゴシックな歌詞、重い歌詞、さわやかで前向きな歌詞と、とんでもない引き出しの量に驚かされるわけですが、この方の何が一番凄いかというと、作曲家さんとの「相性」がないことです。ご本人的にはあるのかもしれませんが、聴く側の印象ではケースごとに全く違う印象の作曲家さんと組むことで「とても同一人物の仕事とは思えない印象」を発揮しているように思います。伊藤真澄さんと組んでいる歌は共通のイメージがあって、私はこの二人の仕事がベストマッチだと思っていますが(できれば伊藤さんが書いた曲で畑さんに歌ってほしいなぁと今でも思います)、どなたに提供した歌詞でも作編曲家さんは上手に消化されて、プロデューサーさんの思惑通りに歌い手さんにマッチしたものに仕上がってばきっと完成している、という印象があります。驚くべき懐の広さです。

 かつて菅野よう子さんがカウボーイビバップのサントラで「作曲家として」大変な評価を受けましたが(もともと菅野さんは光栄でゲーム音楽やってましたね)、畑さんも「作詞家として」そろそろ大きな評価を得ていいのではと。オリコンチャート含め今年一番の「現象」だった涼宮ハルヒがらみは、畑さんの仕事なわけですし。ストロベリーパニックはOPもEDも同じ人の作詞だよ、と言って信じる人が何人いるか(笑)。事実なわけですが。

 歌詞において重要なのは内容だけでなく言い回しだと思うのですが(そこに音楽性が生まれるわけで)、その点もともと作曲から入ってる畑さんは抜きん出た才能を持ってらっしゃると思います。この方面の「作曲家」というと挙がる名前は多いですが、「作詞家」となるとそう多くないあたり、やはりこの方はもっと評価されるべきだと思います。(シンガーソングライターさんにいい歌詞を書かれる方が何人かいますが、「歌詞」という「歌全体」から見た場合の断片要素をここまで幅広くこなしている方はあまり見ないように思います)

 というわけで何らかの賞を畑亜貴さんに、と強く思うところです。

 余談ですがその他の作詞家さんだと、ゆうまおさんあたりが。この人はせつなさの演出が巧みで。中原麻衣さんがこの人の書いた歌詞で歌うと、それはもう素晴らしいです。

 あとは志半ばで半分のピースが旅立たれてしまいましたが、メロキュアのお二人(岡崎律子さん、日向めぐみさん=meg rock)はいずれも素晴らしい作詞家です。岡崎さんの印象が猛烈に強いですが、日向さんの書く片思い系の歌詞はかなり刺さります。

 メロディや歌い手だけでなく、歌詞もよく吟味してみると、実はとても素晴らしかったりします。「光と水のダフネ」が後半名作に化けることを確信させたのは、畑さん作詞による主題歌『明日のBlue Wing』のおかげだったように思いますし。お気に入りがあれば歌詞を読むためにCDを買うのもアリだと思いますよ。ダウンロードストアとかでは勿体ない。

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