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2006年4月11日 (火)

命の二重性モード

 朝起きたら扁桃腺が腫れてものすごいことになっていた。
 慌ててかかりつけの耳鼻科に行ったら、喉見て鼻見てちょっと問診あった後、ぬり薬塗られて吸入を鼻と喉にやっただけであっさり腫れがひいてしまった。そこの先生は大変な名医だが、それにしたって随分簡単に治ったものだと驚く。かわりに今は鼻の調子がよろしくないけど。

 ところで健康保険の切り替えの時期で、今日は保険証の新しい番号が不明なため、保険適用外での支払いだった。診察と処置と吸入で4千円ちょっと。薬は3千円ちょっとだった。安いかもしれない。精神神経科に行くと保険+控除なしだとどんなに簡単でもまず1万、血液検査が入ると軽く2万、それが隔週である。低収入になり健康保険が使えなくなる事を考えるとぞっとする。一ヶ月で軽く餓死できるだろう。生活保護を受けたとしても文化的な生活とは完璧に無縁になる。仕事上PCとインターネット向け回線必須と言ってもお役所は認めなくて没収ないし生活保護の解除になる気がする。

 心臓発作で死ぬのは大歓迎で、窒息死は絶対お断りだが、餓死も嫌だと思った。そこに至るまでがひどく惨めだろうから。こういう状況はあり得るのに、自殺が合法化されないのもなんだか変な気がする。昨今の尊厳死報道でもわかることだが、自然死に至るまで存分に苦しめというのがこの国の根本的倫理であり方針である。こういった矛盾は山ほど転がっている。苦しむのが当事者だけなので無視しつつ、事後の事でいらない責任のなすりつけ合いをするのを避ける意向で法整備されているのが見え見えだ。それで基本的人権などと簡単に口にする。たいした法治国家だ。人は金を持っているのが前提らしい。どっからそんな金が沸いてくるのか。

 そういえば「世界の中心で、愛をさけぶ」なる映画を見た。ぜんぜん泣けなかったどころか微妙にしらけたが、劇中非常に印象的な台詞が1つだけあった。「天国なんてものは生き残った奴が作ったもの」。全くその通りだと思う。世の中、死なれた者が納得する術は山ほどあるが、死にゆく者が本当に苦しまずに死ぬための術はあまりにも、あまりにも少ない。あっても欺瞞の一言で片付くものが多い。

 増えすぎた人間、これから主たる疾病になるであろう精神病。社会復帰不能になる人間が増えるであろうこれからの世界において、なお自ら死を受け入れる人間を拒み続けることは、果たして世の中のためなのだろうか。精神を病まなくてもさまざまな病気や身体上の理由で尊厳死を望んでいる方は多くいらっしゃる筈だ。それも、意識があるうちに。

 生命倫理に関しては本当に疑問が多い。生誕に遡った場合、出産前の胎児は母親の肉体の一部で、それをどうするかは体の持ち主の判断だと思うし、生まれてから一定レベルの意識が定着するまでの2年程度も、人権に保護される対象かどうか冷静に考えると疑問ばかりが湧く。このあたりが見直されることは、納税者が一人でも欲しいこの国や宗教汚染された国家においては絶対ありえないことだが、(育てられない子を作った親が根源的に悪いとはいえ)状況の認知さえできない存在を望まれない形で強制的に生かす事がどれだけ残酷な状況を撒き散らすかは周知のことな筈だが。勿論、望まれて生まれ、生きていく環境に全く問題のない子供は、死力を尽くしてでも守り、育てるべきだと思う。そういう命だけであってほしいのだが、残念なことに子供が間違って子供を作るような状況からとんでもない不幸が生まれる事例が後を絶たない。残念ながら状況的に生まれながらにして既に存在が閉塞している子供も少なからずこの世界にはいる。そしていらない不幸を背負った挙句命を落としている。

 希少動物なら命を守る努力もしよう。しかし人間は溢れすぎだ。可能性云々を論じたところでそれは宝くじを購入するのと同じことであり、絶対的に生をもたらすべきであるという根拠に乏しい。状況による区別はもっと的確になされるべきである。命が尊いのではなく心が尊いのだと私は信じる。肉体の命と精神的な命という二重性の中に我々は存在するわけだが、後者の発生と消滅について論ずることを人々はほとんどしない。それが人間の生物としての特異性であり、地球上で好き放題してきた根拠であるにも関わらず、だ。

 産業革命以後急速に形を歪めたのは地球や生態系だけではなかった。当事者たる人間もしっかり歪んできている。新しい倫理観を根本から構築しなおす必要性は程なく生じると思う。さもないと、急速に温暖化しているこの地球の表面同様、人間も辻褄が合わず結局存在としては「自壊」するだろう。

 とりあえず「命の二重性」については深く考えてほしいところだ。

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